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大企業のメタボリック内部留保

 企業の税引き後利益から株主への配当金や、役員賞与などを差し引いて、企業内に留保された利益を内部留保という。内部留保には、税制上の優遇措置があるため、継続して利益を計上している大企業の中には、余剰金や積立金などの名目で、内部留保をため込んでいるところがある。全労連と労働総研がとりまとめた『08年国民春闘白書』によると、トヨタ自動車の連結内部留保は、13兆円を超えているようだが、「Yahoo!ファイナンス」の連結決算ー連結余剰金ランキングは、次の通りである。




<2兆円以上の連結余剰金を抱えている大企業>
7203トヨタ自動車 11兆7647億1300万円
7267ホンダ    4兆6926億2000万円
9432NTT    4兆1274億2100万円
8306三菱UFJ  4兆1021億9900万円
6752松下電器産業 2兆8256億1200万円
7751キヤノン   2兆7661億6300万円
9437NTTドコモ 2兆4931億5500万円
7201日産自動車  2兆4027億2600万円
4502武田薬品工業 2兆2974億3800万円
9501東京電力   2兆1868億0700万円




 2兆円以上の連結余剰金を抱えている大企業は10社、1兆円以上の連結余剰金を抱えている大企業は32社を数える。ある程度の内部留保の厚みは必要だろうが、度の過ぎる内部留保は、市中に流通していた貨幣を吸い上げるだけでしかない。大企業の内部留保に比例する形で、系列下請企業の利益なり、社員の賃金が上昇していれば問題はないのだが、大企業と中小企業の格差が社会問題になっているということは、本来、中小企業にもたらされる利益が、大企業の内部留保に吸い上げられている、と考えるのが合理的だ。コストダウンのためなら、乾いた雑巾を絞るとまで言われる大企業が、内部留保を溜め込むために、下請けの乾いた雑巾に手を伸ばし、これを絞りに絞っている?


 中小企業の利益を取り上げ、丸々と超えた大企業の内部留保は、膨らめば膨らむほど、日本経済から活力を奪うことになる。名付けるなら、大企業のメタボリック症候群。内部留保の溜め過ぎ、下請け企業への利益還元不足。経済の血液と言われる市中の資金を大企業が兆単位で吸い上げ、これを抱えているのだから、日本経済は、いつ貧血で倒れたとしてもおかしくはない。
 下請け企業の減益、社員の賃金引き下げの一方で、好業績を背景に内部留保を溜め込んでいる大企業。驕れる平家久しからずならぬ、驕れる大企業久しからず。溜め過ぎたメタボリック内部留保には、労働基準監督署を経由して公正取引委員会のメスが入ることを切に願ってやまない。その前に、空売り弾でもぶち込んでおくとするか。



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