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取手の相場師

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 07年7月の参院選で自民党が、歴史的な大惨敗を喫した翌日の日経平均株価寄値は1万7138円53銭だった。健康上の理由で入院、そして退陣を表明した安倍晋三総理に替わって、福田康夫総理が誕生した07年9月26日の日経平均株価は、1万6388円51銭。福田内閣が誕生してから、株価は下がりっぱなしである。福田政権の無為無策が、株安要因と解説されることがあるが、株安の最大の要因になっているのは、息を吹き返してきた利権官僚の存在である。


 利権官僚とは、本来、行政を担うべき官僚が、国会議員に入れ知恵する形で、属する省庁に都合のいい法律を立案し、天下り先を確保して利権をむさぼる官僚のことである。ひとつ例にあげると、旧厚生省年金局官僚に操られ、族議員が甘い汁を吸ったとされるグリーンピアである。グリーンピアとは、年金福祉事業団が全国13ヶ所に、巨費を投じて作った大規模年金保養施設である。年金保養施設として作られたと言うが、採算性は度外視の天下り受け皿施設であり、赤字垂れ流しのまま、既に二束三文で売り飛ばされている。


 族議員が権勢を振るう地方に建設されたと言われるグリーンピア。権勢を振るう族議員は、オレの力でグリーンピアを建てた、雇用を創出したと胸を張る。利権官僚は、天下り先としてグリーンピアを確保し、甘い汁を吸う。そんな自民党と官僚の癒着体質をぶち壊そうとしたのが、支持率の高かった小泉政権であり、小泉政権を継承した阿倍政権である。


 ところが、小泉、阿倍と、反官僚政権が続いたこともあり、危機感を抱いた利権官僚たちは、福田政権になってから道路特定財源暫定税率の10年維持(国土交通省)、空港の外資規制(国土交通省)、デイトレーダーを引き合いに出しての株式の外資規制(経済産業省)と、天下り先を確保するための巻き返しに動き出す。国益ではなく省益確保に走る利権官僚の動きに、外国人投資家が嫌気を差し、日本株に見切り売りを出しているのではないだろうか。


 福田康夫総理が誕生した07年9月26日の日経平均株価は1万6388円51銭。利権官僚が息を吹き返し、言いたい放題やりたい放題で迎えた3月10日の日経平均株価の終値は1万2532円13銭。現在進行形にある利権官僚大暴落は、値幅にして3856円38銭、率にして23.53%の下落に見舞われているが、過去2度の大暴落時における、日経平均株価の下落率は50%を超える。テクニカル分析では、売られ過ぎの現時点では、下落懸念は限定的なのだろうが、このまま利権官僚の暴走を許したのでは、日経平均株価1万円大台を割り込む利権官僚大暴落が現実味を帯びてくる。

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